恋愛小説レビュー「この終末、ぼくらは100日だけの恋をする」ネタバレ注意!
(画像出典元 https://www.amazon.co.jp)
こんにちは恋愛開運堂のチャーリーです☆彡
今回は似鳥航一さんの恋愛小説「この終末、ぼくらは100日だけの恋をする」
(メディアワークス文庫)を読了しました!
もしあなたが余命宣告されたら、どうしますか?誰と過ごしたいですか?
どんな最期を迎えたいですか?
う~ん、僕の場合すぐには浮かんでこないなぁ。逆にやりたくないことは、たくさん
あるけど(笑)
恋愛の場合、期限が決められちゃったら凄く切ないけど、逆に濃密な恋ができような気がします。
今回は、そんな期間限定の儚い恋の物語をレビューしちゃいます♡
あらすじ
孤児で養護施設育ちの主人公・悠木(ゆうき)は、高校時代にクラスでも目立たない
女子・凪(なぎ)の宝石の原石のような美しさにに気づき一目惚れしてしまう。
人を避けてきた悠木にとって凪は初恋の相手。思い切って告白するも、見事に
断られてしまう。
時が経ち大人になった悠木は、偶然にも凪と再会。キレイな顔立ちはしていたが、
地味だった凪は、オシャレでクール美女に変貌していた。
そんな凪から「私と100日間だけ一緒に住みませんか?」と頼まれる悠木。
季節は夏。これは、すでに自身の行く末を知っていた彼女と、これから知ることになる彼が一緒に暮らす100日間の奇妙で切ない恋の物語です。
感想
物語を読み進めていくと「この国では4年ほど前から人が姿を消す現象が起こっている」のフレーズが出没!う~む、これは謎がとっても気がかりになってくる。
最終的には、この謎の現象がすべての鍵になるのですが……。
それにしても、主人公・悠木の相手である凪は、とってもとっても私チャーリーの
好みのキャラクター!綺麗で奥ゆかしくて、ブラックユーモアのセンスも持ってて、
しかも女性特有の甘い香りが漂ってるなんて悠木でなくてもキュンキュン・萌え萌えしまくり(笑)
ただ悠木は凪の外面だけに恋したのではなく、目立たないところで気を配る本当の
意味でのやさしさを見ていたから。
そして、何より凪は、悠木が自分でも認識してなかった「本当の自分」を理解してくれて、原因不明の欠乏感から解放してくれた。
やはり人は皆、心の奥底にあるものを理解・共感してくれる人を求めるものですよね。
そんな凪と悠木が織りなす恋の物語の季節は夏。どこまでも透き通った青い空に
陰影がはっきりした立体的な雲、そして何もかもが色鮮やかで心躍る夏。
でも、そんなまぶしい真夏の時期って、打ち上げ花火のように華やかにはじけて、
一瞬で終わってしまうように感じるのは僕だけでしょうか?
そんな季節だからこそ
ひと夏の恋は、淡くきらめいてポトリと火種が落ちる線香花火のような儚さも内包
してると思います。
少しネタバレしますと、この物語で二人の恋が期間限定なのは、ある理由で今生の
別れを告げなければならないからなのですが、それだけに男女の恋愛はもとより、
人の人生とは何なのかを深く考えさせられます。
生きるとは思い出を重ねるということ。何故なら生が経験の積み重ねで、言い換えれ
ば記憶であり、思い出でもあるからです。
それ故に、思い出は命よりも尊く、記憶は寿命よりも重い。それは、人が人として
生きる意味そのものだから。
そして、人はその大切な記憶を共有するために運命の相手と巡り合い、一生に一度の恋をする。命はそのために存在するのです。
そう、ひと言でいえば「人は恋をするために生まれてくる」のです!
それにしても、運命に翻弄される悠木と凪が不憫で、神に対して憤りを感じてしまいました。私チャーリーが神社でいくら願いごとをしても叶わない腹いせかもしれない
ですけど(笑)
ですが…最後は感涙にむせびながら、神の見事な采配に土下座です。
とにかくハンカチなしでは、この物語は読めませんのでご注意くださいね♡