恋愛小説レビュー「逢う日、花咲く。」ネタバレ注意!
(画像元 https://www.amazon.co.jp)
こんにちは恋愛開運堂のチャーリーです☆彡
今回は青海野 灰(あおみのはい)さんの恋愛小説
「逢う日、花咲く。」(スターツ出版文庫)を読了しました。
あなたは、生きる理由を考えたことがありますか?
「何のために生きてんだろな」って、みんな一度は考えたことありますよね。
私チャーリーは今のところ、子供たちのためが一番かな。
でも子供たちが巣立ったらどうなんだろ?
でもきっとまた、他の誰かのために生きようとするんだろな。
今回は、時空を超えて好きな人のために生きる恋物語をレビューしますね♡
あらすじ
【これは、僕が君に出逢い恋をしてから、君が僕に出逢うまでの、奇跡の物語】
13歳で心臓移植を受けた男子高校生・八月朔日行兎(ほずみいくと)は、それ以降自分が女の子になる夢を見るようになった。
行兎(いくと)は、きっとこれはドナーになった人物の記憶なのだと考える。
そして、明るく快活で幸せそうな彼女に行兎は、瞬く間に恋をした。
それは、決して報われることのない恋心。
行兎と彼女は決して逢うことも、言葉を交わすことも、触れ合うことも叶わない。
それでも、彼女と逢いたい、言葉を交わしたい、触れ合いたい、そして救いたい。
そう願う行兎に、時空を超越した不可思議なことが起こる!
感想
【記憶転移】記憶転移とは、臓器移植に伴ってドナー(提供者)の記憶の一部がレシピエント(受給者)に移る現象。ただし科学の分野で正式に認められてはいない。
この物語は、拘束型心筋症の八月朔日行兎(ほずみいくと)が心臓移植を受けた後から
ある女の子になった夢を見始めることに端を発します。
そしていつも見るその少女の夢は、もしかするとこの心臓の持ち主の夢ではないかと行兎は考え始めるのです。その夢で見る光景は、何らかの理由で若くして亡くなってしまった、その美しい少女の煌めく思い出。
行兎は、その少女に恋をします。
そう決して叶うことのない初恋。
行兎は自分に移植された心臓を何より大切にし、個人の生きがいがない行兎の唯一の生きる理由で、喜びですらあるのです。
なんだか本末転倒のようでもありますが、愛する人のためという意味では共感できますよね。だけどその恋はあまりにも透明で、あまりにも残酷な初恋。
一方で臓器を提供する少女・鈴城葵花(すずしろあいか)は、自分の胸の中に時々だれか他の人間がいるような感覚を持っていました。もちろん生前の時間軸においてです。
その感覚が起こる時は、とっても胸が温かくなり自分を励ましてくれてるような感じが
して、しかも男の子ということがなんとなく分かっていました。そして、葵花もまた、その男の子に恋をするのです。
その後、時空を越えて二人はコミュニケーションがとることが出来るという奇跡がおきます。
そして、二人は逢いたい!触れ合いたい!という感情が高まり、行兎は葵花を死から守ろうと心に誓いますが、ドナーである葵花を助けることは同時に自分が死ぬということ。
果たして行兎は葵花を救えるのか、そして行兎の運命は…
まあ、それはあなたが読んでからのお楽しみですが(笑)
自分の生きがいのために、自分が死ぬというパラドクス。
なんか分かるような分からないような。自分の守りたいものの重さで、その判断は違ってくるような気がします。
命の道は前にしかありません。そしてどんな過去も消えることはありません。
煌めく幸せも必ず過去のものとなり、留まりたくても運命は優しく残酷に背中を押していきます。
しかし僕は、過去は変えることが出来ると思ってます。
過去の事象そのものは変えられないけど、現在の在り方によって過去の意味付けは、まったく違ったものになるからです。
今をどう生きるかで過去がより良いものに変わり、そして輝かしい未来へと続く道が造りだされると信じてます。
あなたも過去を愛して素敵な未来を花咲かせてくださいね♡
評価
好き度 : ★★★☆☆
泣き度 : ★★☆☆☆
ハラハラ度 : ★★★★☆