恋愛小説レビュー「八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。」ネタバレ注意!
(出典元:https://www.amazon.co.jp)
こんにちは恋愛開運堂のチャーリーです☆彡
今回は、天沢夏月(あまさわなつき)さんの恋愛小説「八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。」
を読了しました。
夏って気温もハートもヒートアップしちゃう反動からか、次に訪れる秋がもの悲しい季節だからか、夏の終わりは本当に虚無感が襲ってきますよね。
九月になっても、暑さはすごい残ってますが、やっぱり八月の空気とはまるで別物。
そんな「真夏」の八月を舞台にした、このとってもとっても悲しいラブストーリー、レビューしちゃいます♡
あらすじ
最愛の恋人だった葵透子(あおいとうこ)を心臓の病が原因で失い、未だそのことを引きずっている主人公・渡成吾(わたりせご)。
成吾は現在、恋人の透子の死を忘れるため、東京の大学へ通い、地元との交流を遮断していたが、地元に住む親友の多仁幸樹(たにこうき)の説得により、透子の墓前へ参るため地元の同窓会へ出席することを決意する。
そして、透子の死以降訪れてなかった、透子の実家にも訪ねた成吾。
透子の部屋は、時が止まったように亡くなった時のままにしてあったが、そこで成吾は、かつて二人が交わしていた「交換ノート」を発見する。
透子の母の許可を得て、交換ノートを持ち帰る成吾。
だが、成吾の脳裏に忘れようとした透子との思い出が蘇り、とてつもなく胸を締め付けられ、たまらずノートに「俺はどうしたらいい、透子。」と書きなぐり眠りに落ちる。
ふと目覚めると、ノートには成吾の書き込みに呼応するように、あらたな書き込みがあった!
しかも、その筆跡はひどく見覚えがある文字だった…
感想
学生の頃、八月三十一日といえば、本のタイトル通り「世界の終わり」のような気分だったのは僕だけではなかったと思います。
また、「ひと夏の恋」という言葉もあるくらい、恋の炎が燃え盛る夏。
ただし、僕の場合は、ロマンスとは縁遠い夏休みでしたけどね(泣)
この作品は、はじめに主人公・成吾の恋人だった透子が、すでに亡くなったあとの時間軸からのスタートだったので、「先に結果わかってんじゃ盛り上がらないじゃん」
とたかをくくってましたが…
メッチャ泣きましたー!
話の構成も「現在」と、透子との恋が進展中だった「過去」のストーリーが交互に、しかもとってもテンポよくリズミカルに展開されるので、物語に引き込まれてしまいます。
そして、感動の「未来」の章へとバトンを繋ぎ…号泣しますっ‼
また、作中で地味にいい味を出していたのが、成吾の親友・多仁です。
おどけたキャラだけど、とっても友達思いで、しかも絶妙な距離感をとってくる。
僕もこんな男になりたいな~と思わせるナイスガイです。そんな多仁とタイムトラベル
した場合に考えられる事象の矛盾、いわゆる「タイムパラドクス」について語り合った
時の多仁の答え…
「俺だったら過去を変えたいと思わない。過去を変えるってことは、今を否定することになるから。」
う~ん…今出来ることをやれってことなんだけど、そうだよなぁー。
「今」を、そして「未来」を輝かせないと、紡いできた「過去」が無駄なものになってしまう。
そう考えると、辿り着く言葉は、「八月の終わりは、きっと世界の始まりに似ている。」
なんだけど、成吾が過去を変えて、望むべき今を手に入れられたかどうかは、あなたが読んでからのお楽しみ(笑)
あなたもこの夏、悔いの残らない熱い恋をして輝く「今」を手にいれましょう♡