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恋愛小説レビュー【僕はロボットごしの君に恋をする】

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 (画像元 https://www.amazon.co.jp

こんにちは恋愛開運堂のチャーリーです☆彡

 

今回は山田悠介さんの恋愛小説『僕はロボットごしの君に恋をする』河出文庫

を読了しました。

 

あなたにもずっと想いを寄せている相手を無意識に目で追っていたり「どんな形であれずっと見つめていたい」「叶うならずっとそばにいたい」って経験ありますよね?

 

この物語はAIのテクノロジーが発達した未来のお話ですが、相手を愛おしいという気持ちは現在においても過去においても、そして未来においても人の心の中に変わらず存在する想いなのです。

 

そんな未来を舞台にした恋の物語、レビューしちゃいますね♡

 

 

  目次

 

 

著者略歴

山田悠介(やまだ・ゆうすけ)

 

1981年生まれ。

2001年デビュー作リアル鬼ごっこがミリオンセラーに。

その後親指さがし『パズル』などのヒット作を立て続けに発表し、10代を中心に圧倒的な支持を得る。

映像化作品も多数。

著書に『スイッチを押すとき』『その時までサヨナラ』などがある。

 

リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)

親指さがし (幻冬舎文庫)

スイッチを押すとき 他一篇 (河出文庫)

その時までサヨナラ (河出文庫)

 

あらすじ

ロボットが普及した近未来の東京、人型ロボットを使った国家的極秘プロジェクトが進んでいた。

 

プロジェクトメンバーの主人公・大沢健(おおさわたける)は、幼馴染みで同僚の天野陽一郎(あまのよういちろう)と彼の妹の天野咲(あまのさき)に助けられながら奮闘するが、咲の勤務先にテロ予告が届く……

 

健は想いを寄せる咲を守れるのか?

 

そして…ラストには衝撃の結末が待ち受けている!

 

 

感想

どっひゃー!

最後の結末は、ぜんっぜん予想できなかったな~

というのが一番の感想(笑)

 

ここからは少しネタバレになりますが、主人公の健(たける)は近未来の東京で見た目は人間にしか見えない人型ロボットを遠隔操作するオペレーター。

 

幼い頃から想いを寄せている咲(さき)の勤務する企業がテロ予告されたため、偶然にも健が操作するロボットが警備担当を任されることに。

 

ロボットごしではあるけど、健は咲と接触する機会が増えて内心喜びます。

 

そして健の操るロボットと咲は急接近する展開になるのですが、ここで健は現実へ引き戻されます。

 

それは何かというと、健が操るロボットはイケメンで長身で運動神経バツグン(ロボットなので当たり前ですが)。

 

一方の健本人はチビで気弱な冴えない男。

 

健がロボットを操作し会話してるのですが、外見が違い過ぎる健は悩みます。

 

あ~健の気持ちわかる~!

 

僕も外見をイケメンの長身と取り換えたいと常々思っているから(笑)

 

物語の中盤あたり、イケメンのロボットに惚れた咲と冴えない健が、ラブストーリーをどうやって紡ぐのかがどうしても想像できない……

 

終盤でやっと「ああ、なるほど」という展開になってきますが、仰天のラストでちょっとひいてしまいました(笑)

 

それは単に僕が古い概念を捨てきれないせいなのか、または愛というものの本質をまだ理解していないのかもしれません。

 

AIが自我を持つとはどういうことか、AIと人間の根本的な違いはどこにあるのか、そんなことを考えさせられる物語でした。

 

僕たち人間は、ふだん何事も自分で考えて自分の意思で物事を決定していると思っています。

 

しかしその判断や、自分の内から湧き出る衝動というものは、狩猟採集時代から連綿と受け継がれた遺伝情報が大きく関わっていることが進化心理学では提唱されてます。

 

ようするに僕らは生まれた時からすでにプログラミングされているのです。

 

そう考えるとAIと人間の違いは、単に意思決定の違いだけではないような気がしますよね。

 

やはりAIと人間の大きな違いは、人間のほうが「完璧ではない」ところに人間らしさがあるのではないでしょうか。

 

そして恋においても人間は、大切な人を想うあまり理屈に合わないことをしてしまう。

 

それが本当の人間らしさの証明だと強く思います。

 

あなたも人間らしく恋の情動のおもむくままに動いてみてはいかがですか♡