恋愛小説レビュー「卒業まで100日、…君を好きになった。」
(画像元 https://www.no-ichigo.jp/bookstore/noichigo_bunko/202005)
こんにちは恋愛開運堂のチャーリーです☆彡
「卒業」……みんなそれぞれの思い出がありますよね。
嬉しくもあり、悲しくもあり……。
2020年は未曾有の感染症の流行により、そんな思い出をつくるセレモニーが不本意ながら中止を余儀なくされる事態となりました。
しかし、ともに過ごした仲間や恋人との思い出はしっかりと心に刻まれ、どんな感染症にも消されることはないでしょう。
今回はそんな卒業間際の高校を舞台にした夏木エルさんの恋愛小説「卒業まで100日、…君を好きになった。」(野いちご文庫)をレビューしちゃいます♡
著者紹介
夏木エル(なつき える)
北海道出身。
2006年「告白synchronized love」で書籍化デビュー。
その後ジャンルを超えて続々と作品を発表。
現在もケータイ小説サイト「野いちご」で活動中。
あらすじ
「俺と、楽しいことしない?」
イケメンから突然誘われて、ドキドキがとまらない…!
友達よりも先に進路が決まった春川唯(はるかわ ゆい)は、受験に真剣な雰囲気の中、友達に遠慮してつまらない日々を送っていた。
ある日、学校で人気者の平篤(たいら あつし)に進路が決まった同士遊ぼうと誘われる。
ナイショで一緒にお昼を食べたり、遊びに行ったり……。
最初は純粋に友達だと思っていたけれど、だんだん彼に惹かれはじめる唯。
平くんもじつは、1年の頃から唯を好きだったのだ。
けれど彼には好きな人がいると誤解した唯は、離れようとして……。
卒業までの甘い100日にジレきゅん!
(本書より引用)
感想
この物語は当然、女子目線のお話なのでしょうが、男性目線での感想を綴りますね(笑)
まあ、男性の僕から見てもキュンキュンきちゃいましたけどね!
高校卒業を舞台に平凡な女の子が、学校で人気のイケメンにアプローチされるという王道のストーリー。
それだけにどこか安心して見てられます。
主人公の唯(ゆい)と篤(あつし)が通う学校は、進学校で二人はその3年生。受験戦争真っ只中という設定だが唯は専門学校へ、篤は私立大学へ推薦での合格を決めている。
受験間近のピリピリ感は、なんだか懐かしくもあり、あまり思い出したくない気もします(笑)
クラスメートより早く進路が決まった2人は、卒業まで楽しいことをして過ごそうと同盟を結びます。
といっても、そこはかわいらしく屋上で二人でお弁当食べたり、一緒にバイトしたり自動車学校へ通ったり……
うん、とっても微笑ましい~
篤は長身でイケメンで学年トップの秀才、あ~こんな風に生まれたかった~と僕は親を怨むばかり(笑)
学校でもバイト先でも当然モテモテ。
感情移入しながら読むので、僕がモテてるような錯覚がしてなんだか心地いい(笑)
そんな篤は、以前より唯に恋心を抱いていたが平凡な女の子の唯は、まさか自分が惚れられてるなんて思っていない。
しかも篤の元カノは、お人形みたいに綺麗で才女と言われるくらいの有名人。
しかし篤には自分は釣り合わないと思いつつも、篤のルックスはもとよりその優しさに徐々に惹かれていきます。
ただ、唯の自己肯定感低さから、二人の想いは掛け違いながら物語は進行します。
恋愛物特有のじれったい展開が続いて、けっこうヤキモキしますよ(笑)
二人の恋の行方はどうなることやら……
この物語のテーマは「卒業」ですが、その前後の周りの雰囲気だとか学び舎を去るときの自分たちが過ごした教室に対する想いの描写がとってもリアル。
片付けられた教室が、もう自分たちのいる場所ではなくなったという距離感は、卒業を経験したことのある誰もが感じたことではないでしょうか。
そしてその先にある未来には、希望と背中合わせに不安をも含包する。
ただ、この二人の前には無限の可能性が広がっていることが僕との大きな違いなんだけどね(笑)