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恋愛小説レビュー『こじらせお姉さんと僕だけのラブコメ』

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 (画像元 https://www.amazon.co.jp

 

こんにちは恋愛開運堂のチャーリーです☆彡

 

今回は、坂神京平さんの恋愛小説『こじらせお姉さんと僕だけのラブコメ(角川スニカー文庫)を読了しました!

 

あなたが男なら、綺麗なお姉さんから突然「ずっと養ってあげるから、同棲して」といわれたらどうしますか?

 

素直に喜んで申し出を受ける?

 

それとも、やりたい仕事があったりするから養われるのは嫌?

 

そんな、無いようで有るような夢のような物語、レビューしちゃいます♡

 

 

  もくじ

 

 

作者紹介

坂神京平(さかがみ・きょうへい)

 

活字と可愛い女の子が大好き。

 

web小説投稿サイト「カクヨム」にて日々妄想を文章化。

 

心の癒しは、深夜アニメを視聴すること。

 

『ニジガク』の推しは近江彼方か桜坂しずく。

 

 

 (本書より引用)

あらすじ

「端的に言うと、もう裕介くんは働かなくてもいいんだよ」

 

小宮裕介(こみや・ゆうすけ)(21)は、SNSで知り合った綺麗で優しいお姉さん・花江美織(はなえ・みおり)(28)に突如結婚前提の同棲を迫られる。

 

もちろん好意はあるものの……

 

お姉さんのあまりの熱意に押され、お試しで同棲を始めてみれば、男性経験なしでこじらせ気味なお姉さんはエロゲで学んだもてなし知識をフル活用。

 

過激な愛情表現は、お風呂で、そしてベッドでも……

 

手順を踏んでお互いを知っていきたい裕介と、一足飛びに結婚したいお姉さん。

 

少しズレてもお互いに好き同士が毎日いちゃいちゃする、ちょっとエッチな愛情ましましラブコメ

 

 (本書より引用)

 

感想

・純情青年とこじらせお姉さん

こ……このお話は、世の男性の究極の理想形だっ!

 

主人公の裕介(ゆうすけ)は7つ年上の美織(みおり)から

「端的に言うと、もう裕介くんは働かなくてもいいよ?」

「私と同棲してくれるなら、君のことは扶養してあげる」

と言われることから始まるこの物語。

 

美人で高収入のお姉さんと同棲・結婚して、その上養ってくれるなんて……

端的に言うと、パラダイスじゃないですかっ(笑)

 

もっとも、今の仕事にやりがいを感じ情熱を注いでいる男性や主夫なんてイヤだって人なら、その申し出を断るのかもしれないけど。

 

僕なら二つ返事でお願いしちゃいますね~。

 

しかし、裕介はというと……

 

かなり戸惑っちゃいます。

 

当たり前と言えば当たり前なのだけどね。

 

確かに僕も戸惑うかもですがその理由として、そんな都合の良い話には何か裏があるんじゃないかと勘ぐっちゃうからなんです。

 

でも裕介の場合はちょっと違ってて、裕介は彼女いない歴イコール年齢の男子なんです。(もちろん少しは訝しんではいましたが)

 

なので、手順を踏んでお互いを知っていきたいという想いが強かったのです。

 

なんかその気持ちも分からなくもないかな。

 

一方で、なぜ美織がいきなり同棲して裕介を扶養したいかというと……

 

これまた美織も彼氏いない歴イコール年齢というお姉さん。

 

青春を全てイラストを描くことに捧げたため男性経験がなく、男性に対する知識はゲームやアニメなどの二次元のコンテンツから情報から得ているため、発想が奇想天外でややこじらせちゃってるのです。

 

可愛いうえに高収入の美織は、男性経験のなさと自分の年齢に対するコンプレックスで、かなり自己肯定感が低い。

 

それゆえに年下の裕介に若い女性が寄ってくるのを恐れて、裕介を扶養したいと考えるのです。

 

すっごいヤキモチやきなんですね~

 

まぁ男ならこんなお姉さんにヤキモチやかれてみたいですね(笑)

 

・主夫になるということ

さて、結局のところ裕介はお試しに美織の家にお泊まりすることになるのですが……

 

もちろんその一夜で裕介は美織にメロメロになり、同棲することを決意します。

 

うん、これはどんな男性でも抗えないですよ~。

 

それが男の性ってものです(笑)

 

ですが、裕介の中で葛藤も生まれます。

 

大学を中退しフリーターになったうえ、ずっと彼女がいなかった裕介もまた自己肯定感が低く、自分と美織が釣り合わないのではないか……

 

美織にはもっと相応しい人がいいのではないかと思いやります。

 

そんな裕介の優しいところに美織は惚れたのですけどね。

 

でも、僕も同じ立場なら引け目を感じるんだろうな。

 

そして、裕介に若い女が言い寄ってこないように美織は裕介にアルバイトを辞めるように提案します。

 

今の僕なら速攻で仕事辞めるかもですが、若い裕介は躊躇います。

 

やはり自分の社会的立場がなくなるというのが怖いのです。

 

確かに仕事をしてると、辛いことや苦しいこともあるけど全く社会との接点がなくなった時のことを想像すると……結構不安な部分もありますね。

 

女性ならコミュニティをつくるのって得意分野なのでしょうけど、男性が社会と断絶するとほんとに孤立するケースが多いですから。

 

う~ん考えさせられます。

 

・みんなが持つ光るもの

昨今はインターネットで全てが可視化され、それにより才能に恵まれた人々の凄さを目の当たりにするようになりました。

 

その弊害として、頑張ればその努力は報われるんだと思えなくなった。

 

そりゃそうだよね。

 

各分野にはバケモノじみた才能をもった人がゴロゴロいて、並の才能の人間は萎えるよ。

 

それでも好きで熱中できるものがあるなら、努力を厭わず没頭できます。

 

裕介は残念ながら熱中できるものに出会わず、無難な道を歩んで来ました。

 

そんな裕介がなぜ大学を中退してフリーターになったかというと、なんとなくの惰性で大学を卒業したくなかったから。

 

初めて自分の意思で行動を選択したことの結果なのです。

 

裕介は社会の最下層にいる自分を卑下しますが、流れに流されずに自分の気持ちに嘘をつかなかった裕介の真っ直ぐさに、美織は共感し惚れ直します。

 

一方、順風満帆に見える美織にも色んな批判を受け、多くのものを犠牲にして今の地位を掴み取った。

 

そのことを裕介は悟り、改めて美織を尊敬し殊更愛おしさを感じるのです。

 

どんな環境や状況に置かれてる人でも、尊敬できるもの惹かれるもの光るものがあるってことですよね。

 

パートナーとの関係が上手くいく秘訣って、案外そうした相手のいいところを見つめ続けるってことなんじゃないかな……

 

・まとめ

いや~この物語は、ほんとに夢見心地な気分にどっぷり浸らせてくれました。

 

通常の恋愛ものってお互いが気になり出して、そして徐々にお互いを好きになりつつも、いくつもの掛け違いが生まれジレキュン状態が続くんだけど、この物語はジレキュンが取っ払われてスタートしてるところがとっても痛快!

 

ジレキュンもいいところはあるんですけど、こういう急展開の天国モードも新鮮で幸せな気分になれました。

 

あ~~誰か僕を養ってくんないかなぁ~♡