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恋愛小説レビュー「空の青さを知る人よ」ネタバレ注意!

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 (画像出典元 https://www.kadokawa.co.jp

 

こんにちは恋愛開運堂のチャーリーです☆彡

 

令和元年10月公開の映画『空の青さを知る人よ』のノベライズ作品を読了しました。

原作/超平和バスターズ 著/額賀澪(ぬかがみお)

 

あなたは若き日に「夢」を持ってましたか?

 

これからのあなたは「夢」を持ってますか?

 

人はだれしも色んな夢を抱いてたと思います。

しかし、人生や社会の大きな壁に打ち砕かれ、夢をあきらめた人、夢が叶わなかった人もいることでしょう。

 

この物語は夢と現実の狭間でもがきながら、恋に仕事に成長していくお話。

 

きっとあなたも空の青さを知りたくなりますよ♡

 

 

  目次

 

あらすじ

 山間の街に住む女子高校生・相生あおい(あいおいあおい)。

 

進路を決める時期なのに大好きな音楽漬けの日々を送る。

 

そんな彼女を心配する姉・あかねの昔の恋人で、高校卒業後に上京したきりだった

金室慎之介(かなむろしんのすけ)が、街に帰ってきた。

 

時を同じくして、あおいの前に高校時代の姿のままの慎之介こと「しんの」が現れる!

 

やがてあおいは、しんのに恋心を抱いていくが……

 

一方あかねと慎之介も13年ぶりに再会を果たす。過去と現在をつなぐ「二度目の初恋」が始まる、切なくて不思議な物語。

 

 

感想

井の中の蛙大海を知らず」

 

山に囲まれた盆地で暮らす主人公・あおいは、そこから抜け出して広い世界へ

跳びだしたいと頑張ってます。

 

どんな夢も叶う場所。

 

誰もが行きたがるけれど、あまりに遠い理想郷。

 

私は……私たちは探している。

 

どんな夢も、叶う場所を。

 

あおいが好きな歌の歌詞ですが、若い頃に誰も皆が抱いてた想いですよね。

 

ですが、現実を突き付けられて思い通りにいかなくて、夢をあきらめて

現状に妥協してしまう人も多いでしょう(僕も含めて)

 

そんな時って夢に向かって前進するどころか、逆にどんどん後退していくような

そんな感覚に陥ります。

 

姉・あかねの元カレの慎之介も、ビッグなミュージシャンになることを夢みて

上京するも、鳴かず飛ばずで現実の厳しさに打ち負かされる。

 

まさに井の中の蛙が大海の荒波にもまれるようなものですが……

井の中の蛙大海を知らず」には、続きの言葉があります。それが

 

「されど空の青さを知る」です。

 

井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る。」

あおいの姉・あかねが好きな言葉ですが、「空の青さを知る」という部分は

本来、「外のことは知らなくても、自分の場所を突き詰めれば深みが出る」

と解釈されます。

 

もう少し掘り下げて考えると「未熟な者でも、その人の視点からしか見えないものがある」ともとれます。

 

ネタバレになりますが、光を失くした慎之介も、世間をまだ知らない自分の生霊である「高校時代の自分」に 激しく喝を入れられ、目を覚まさせられます。

 

知らないこと、見えないものがあるからこそ、それが強さに繋がるのでしょうね。

 

あおい・あかね・慎之介にとっての「青い空」は、それぞれが違うもののように見えて、実際に何を意味するのかも違うでしょう。

 

しかし、それが「大切なもの」という点では普遍のものです。

 

そして、その「空」を知るとは、自分の身近な人や身近なものに対する感謝の心や

その人の愛情に気づくことでもあると思います。

 

物語の中では、慎之介の生霊「しんの」に

あおいが恋をしますが、あかねと本体の

慎之介が結ばれると「しんの」が消える。

 

あおいは自分の恋心とあかねへの家族愛

との葛藤に苦悩するのですが…ホントに切ないですよね。

 

両親を失い妹あおいのために田舎にとどまることを決めたあかね。

 

その中で努力しながらあおいの成長を喜びとする。

 

その姉の表には見せない努力を、あおいは気づき涙し自分の本当の大切なものに気づいて決断します。

 

本当に大切なものの本質を知り、心に刻んでいれば狭い井戸の中でも、広い大海原でも己を見失うことなく、青い空が羅針盤となり導いてくれるのでしょう。

 

あなたも人生で行き詰ったときは、空を見上げてみよう。

 

きっとそこには、どこまでも透き通った青い空があるのですから♡

 

 

評価

 

    ・  好き度: ★★☆☆☆

     (個人的に好きな話だったか)

    

    ・ 泣き度:  ★☆☆☆☆

     (泣ける話だったか)

  

  ・ ハラハラ度:  ★★☆☆☆ 

     (ハラハラする展開か)