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恋愛映画【サヨナラまでの30分】レビュー・ネタバレ注意!

 

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 (画像元 https://eiga.com/movie/91462/gallery/

こんにちは恋愛開運堂のチャーリーです☆彡

 

今回は萩原健太郎監督の映画『サヨナラまでの30分』を鑑賞してきました!

 

唐突ですが、あなたの生きがいって何ですか?

 

お金?趣味?それとも家族や友達?

 

人それぞれ違った想いがあり、それを支えに自分が自分であるためにみんな頑張ってますよね。

 

そんなことを考えさせられる、切なくも美しい青春を音楽が運んでくれるこの物語、レビューしちゃいます♡

 

 

  目次

 

 

あらすじ

 

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 (画像元 https://eiga.com/movie/91462/gallery/

ボーカルのアキの事故死により、メジャーデビューを目前に解散したバンド「ECHOLL」(エコール)。

 

アキの事故から1年後のある日、メンバーのヤマケン・重田・森の前に突然現れた大学生の颯太(そうた)。自分たちの日常にずかずか踏み込み、バンドの再結成を迫る彼にはじめは抵抗するメンバーたちだったが、誰をも魅了する歌声を持ち、強引だがどこか憎めない颯太に、少しづつ心を動かされていく。

 

実は颯太の中身は、1年前に死んだボーカルのアキだった!

 

偶然アキのカセットテープを拾った颯太が、そのテープを再生する30分間だけ、2人は入れ替わる事ができ、1つの体を共有していた。

 

人付き合いが苦手で、はじめはアキを毛嫌いしていた颯太。「俺にこじ開けられない扉はない」が口癖のポジティブなアキ。

 

30分ことの入れ替わりを何度も繰り返す、正反対な性格のふたりの共同生活がスタートした。

 

ひとりで音楽を作っていた颯太は、次第にアキや仲間と一緒に音楽を奏でる楽しさを知り、アキは颯太の体を使ってバンドを復活させ、音楽のある生活を取り戻した。

 

だが、アキの死後「ECHOLL」を去ったピアノ担当のカナだけは戻らなかった。

 

カナとアキは恋人同士で、アキを失った喪失感からカナは音楽を遠ざけていたのだ。

 

カナに再び音楽を始めてもらうため、最高の1曲を作り上げようとするふたり。

 

そんな日々の中で颯太もカナに心惹かれていき、カナもどこかアキの面影を感じる颯太に、心を開きはじめる。

 

すべてがうまくいくように思えたが、ふとした事から颯太=アキなのではないかとカナは気付いてしまう。そのうえカセットテープに異変がおき、アキと颯太の入れ替わる時間が短くなっていた……

 

これは、出会うはずのなかった彼らに起きた、30分間の奇跡の物語。

 

 

キャスト

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(画像元 https://eiga.com/movie/91462/gallery/

窪田颯太(北村匠海

就職活動中の大学生。人付き合いが苦手。趣味はVRゲームとひとりで作曲をすること。

 

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 (画像元 https://eiga.com/movie/91462/gallery/

宮田アキ(新田真剣佑

1年前に死んだミュージシャン。バンド「ECHOLL」のボーカルで、「俺にこじ開けられない扉はない」が口癖。

 

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 (画像元 https://eiga.com/movie/91462/gallery/)

村瀬カナ(久保田紗友

バンド「ECHOLL」のピアノ担当で、アキの恋人。アキを失ったショックで、大好きだった音楽をやめてしまう。

 

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(画像元 https://eiga.com/movie/91462/gallery/


山科健太(葉山奨之

バンド「ECHOLL」でギターを担当。人懐っこくてムードメーカー。

 

重田幸輝(上杉柊平

バンド「ECHOLL」でドラムを担当。ぶっきらぼうだけど誰よりも熱い。

 

森涼介(清原翔

バンド「ECHOLL」でベースを担当。個性豊かなメンバーを、その優しさで包む。
 

 

感想

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*人と繋がる喜び

アキは明るく物怖じしない前向きな性格。言うなれば自らエネルギーを創り出して、それをみんなに分け与える太陽のような存在。

 

一方で颯太は、人と関わる事が苦手で自分の世界に他人が足を踏み入れて欲しくない、内向きのベクトルを持った青年。だけど、本来は人と関わりたい、人と喜びや悲しみを共有したいという欲求を持ってて、それを自分の殻の中に閉じ込めていたんだと思う。

 

「俺にこじ開けられない扉はない」と豪語するアキは、その颯太が閉じこもっている殻もこじ開けていき、颯太は徐々に自分の感情を開放してくる。そして、人に興味がなかった颯太がアキに対する親愛の情や、カナに対する恋心を表出してくるのです。

 

そう、他人を避けて生きてる人も、心の奥底では他人と繋がりたい、喜びを共有したいという気持ちを閉じ込めているんだろうな。そして自分の閉じこもった部屋の扉を誰かが開けてくれるのを待ってるのかもしれませんね。

 

世界一幸福な国といわれるブータンでは、国民の幸せはGDP(国民総生産)ではなくてGNH(国民総幸福量)だとされてます。GNHとはざっくりいうと「精神的な豊かさを重んじる」というもの。

 

僕は精神的な豊かさとは、大切な人との関わりの中にある何気ない日常にあると感じています。物語の中の颯太もそれに気づき、自分の殻をぶち破ることが出来たのではないでしょうか。

 

*自分の存在意義

 みんなの中にいることで自分という存在が輝くと思っていたアキ。しかし、颯太がバンドのメンバーと溶け込むにつれて、アキの存在が颯太に取って代わられ上書きされていく。それを見るたびにアキは自分は存在しない人間だということを再認識させられます。

 

しかし、カセットテープが上書きされても元の情報が記録されてるのと同様に、自分たちが目指した夢や絆を繋ぐことがアキ自身が生きた証になることに気づきます。

 

また他人の目を気にし過ぎて、自分の本当にやりたいことに蓋をしてしまい、内にこもっていた颯太は、アキの想いを理解し颯太も自分が輝ける居場所を見つけます。

 

死んでいるのに太陽のようなアキと死んだように生きる颯太。対極にある二人だけど、他人の中に自分の存在意義を求めてたというのは二人に通じるところですよね。そして、二人とも本当にやりたいことに気づき、自分の気持ちの中にその存在意義を見つけたんだと思います。

 

理想と現実はいつの時代も、いつの年代も葛藤を生むものです。そして、その葛藤に抗えるのも若さの特権なのではないかな。

 

*製作のかくれた見どころ

・アキたちが結成したバンド【ECHOLL】(エコール)は、エコー(やまびこ・こだま)とアンコールを掛け合わせ造語なのですが、劇中に登場するECHOLLの6曲は、気鋭のミュージシャン7人がそれぞれ楽曲を書き下ろししてます。

 

それを音楽プロデューサー内澤嵩仁によってアレンジされてます。それぞれが違ったバンドによって作られた曲が見事にECHOLLという一つのバンドの曲に違和感なく仕上がっているところがスゴイです。

 

・颯太役の北村匠海はミュージシャンでもありますが、他のキャストは楽器や歌が未経験。楽器の練習から入り、仕草やノリなど凄く様になっていてキャストの陰ながらの努力に驚かせられます。

 

・颯太の部屋の壁紙が星の壁紙になってるのですが、その星は美術さんが丁寧に描いているもので、奇跡的に出会ったアキと過ごす不思議でファンタジックな空間を見事に演出されてます。

 

・全編において実在しないアキには影がつけられてません。しかし、音楽祭のポスターを見つめるアキの姿を遠くから移してるシーンのみ影があります。これは、アキが生きる目的を見つけた様子をさり気なく表現されてます。

 

・エンドロールは「記憶」をテーマに、フィルムのネガ風の映像になってます。そしてなんと、文字は手書きだそうです。細かいところまでこだわったエンドロールは隅々まで楽しめます。

 

 

まとめ

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 (画像元 https://eiga.com/movie/91462/gallery/

 この映画は熱い恋の情熱を燃やすというより、若者が理想と現実の狭間で揺れ動き、自分の中にある答えを見つけていく物語でした。しかし、その過程では恋心というスパイスは確かに存在し、それも青春の欠かせない一つのピースだったのは間違いないと思います。

 

同じ夢に向かって努力していく男女は、ベクトルが同じ方向を向いているからこそ、よき戦友であり最高のパートナーとなり得るのでしょう。そうやって結ばれた二人の結束はとても強固なものであるはずです。

 

あなたも同じ夢を追いかけられるステキなパートナーを見つけてみませんか♡